夏目 漱石 坑夫。 夏目漱石「坑夫」のあらすじ&ネタバレと結末を徹底解説

夏目漱石「坑夫」のあらすじ&ネタバレと結末を徹底解説

夏目 漱石 坑夫

たちまちのうちに金がうんと 溜 ( たま )っちまって、好な事が出来らあね。 以下、作品の筋を辿るが、ご自身で作品を読まれたか、読まれるつもりの方はご覧いただく要はないものと思う。 自分は不思議にもこの顔つきをもっともだと 首肯 ( しゅこう )した。 坑夫は自分に取って天職である。 はぐれると、坑夫になれないんだからね」 と念を押して、ベンチを離れて切符口の方へすたすた行ってしまった。 「じゃ、歩く事にしよう」 と長蔵さんは歩き出した。 帰国後、一高、東大で教鞭をとる。

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坑夫のあらすじ/作品解説

夏目 漱石 坑夫

それからまた御代りを貰った。 惜しい事に当時の自分には自分に対する研究心と云うものがまるでなかった。 ところがこの時に限って、人相のよくない どてらと自分とは全く同等の人間のような気持がした。 あとから考えると どてらには神聖な労働と云う意味が通じなかったらしい。 馬鹿気 ( ばかげ )た感じだから 滑稽 ( こっけい )のように思われるけれどもその時は正直にこんな馬鹿気た感じが起ったんだから仕方がない。

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坑夫 (新潮文庫)

夏目 漱石 坑夫

ないから大丈夫と思ってると、いや有る。 一人で 零落 ( おちぶ )れるのは二人で零落れるのよりも淋しいもんだ。 昨日 ( きのう )の自分と今日の自分とを混同して、長蔵さんを恐ろしがったのは、免職になりながら俸給の 差 ( さ )し 押 ( おさえ )を苦にするようなものであった。 が、そうなるにはまだ時間があるとも思う。 ある意味、宛てのない家出やきつい仕事に誘われるまでの経緯やその仕事の体験を通じて、苦行のように、精神をまとまらせていく効果はあったのだろうか。 それなら万事こう 几帳面 ( きちょうめん )に段落をつけるかと思うと、そうでないから困る。

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坑夫 (新潮文庫)

夏目 漱石 坑夫

2人は梯子を上っていく。 おとなしい許嫁に済まないと思うけれども、奔放な後の少女への感情を抑えられない。 少くとも自分はそう考える。 ぼんやり火にあたっていると、お婆さんがきて、もう寝なさいと言う。 連れ小便をしているうちに、この男は周旋屋なんだと気がついた。 このままでは間違いを起こしてしまうかもしれないと怖れるのだが、自分の気持ちがバラバラでどうしていいか分からずに苦しい。

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夏目漱石 「坑夫」 還るための旅

夏目 漱石 坑夫

自分はどこへ行くんだか分らないが、なにしろ人のいないところへ行く気でいた。 それでも暑いくらいであった。 」 このページ終り []. その代りぴたりと留った。 考えると、今まで長蔵さんが自分の過去や経歴について、ついぞ 一 ( ひ )と 口 ( くち )も自分に聞いた事がなかったのは、人を周旋する男の 所為 ( しょい )としては、少しく 無頓着 ( むとんじゃく )過ぎるようにも思われたが、この男は全くそんな事に冷淡な 性 ( たち )であった事が 後 ( あと )で分った。 日に2,3人は逃げ出すし、病気になったり死ぬものも出て、日に5、6組は弔いがある、といった事情を教えられる。 ただいくら持ってるか聞きたい様子であった。

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夏目漱石の「坑夫」を読了!あらすじや感想です!

夏目 漱石 坑夫

自分の鉱山行などもその時そのままの心持を、日記にでも書いて置いたら、定めし乳臭い、気取った、偽りの多いものが出来上ったろう。 もし死んでから地獄へでも行くような事があったなら、人のいない地獄よりも、必ず鬼のいる地獄を 択 ( えら )ぶだろう。 指についた匂いを嗅ぐ。 外部リンク [ ]• 込み入った事情があって、 耐 ( こら )え切れずに 生家 ( うち )を飛び出したようなものの、あながち親に対する不平や 面当 ( つらあて )ばかりの 無分別 ( むふんべつ )じゃない。 それがものの二十間とも歩かないうちに以前の感情はどこかへ消えてしまって、打って変った一種の 温味 ( あたたかみ )を帯びた心持で 後帰 ( あとがえ )りをしたのはなぜだか分らない。

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夏目漱石 坑夫

夏目 漱石 坑夫

当初予定していた30回連載なら、辿り着く前に話が終わってしまう。 また気持ちが変わって、それならそれでもいいと思う。 ・艶子(主人公の回想でのみ登場) 第二の少女=主人公の許嫁。 その 後 ( のち )これに似た心持は時々経験した事がある。 のみならず逃亡をしたって、いつまでも 逃亡 ( かけお )ちている訳じゃない。 口だけおとなしいのではない、腹の中からまるで抵抗する気が出なかったのである。

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坑夫

夏目 漱石 坑夫

上に青い 布巾 ( ふきん )がかかっている下から、丸い 揚饅頭 ( あげまんじゅう )が 食 ( は )み出している。 昨日 ( きのう )までのいさくさが頭の中を切って廻った日にはどんな田舎だってやり切れない。 当時を振り返る彼は、前者を「死を転じて活に帰す経験」、後者を「活上より死に入る作用」と呼んで、その二様の動きが魂の持ち前だと述べる。 ・初さん 坑夫。 これはと少し気味が悪くなり掛ける 途端 ( とたん )に、向うの顔は急に 真面目 ( まじめ )になった。

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